きょうだい同士の立ち位置は環境がつくりだしたもの
兄弟姉妹に、不安の種がある家庭も多いことでしょう。
相続でよく聞くのは、兄弟姉妹同士で、介護や相続内容の不満を周囲に話し回ったり、弁護士を介入させたり、話し合いにならない状態です。
経済的・精神的に自立していれば、こんな事にはならないのでしょうが…
どうして、きょうだい同士で円滑に収まらなくなるのでしょうか。
そもそもの兄弟姉妹間の立ち位置が関係すると考えます。
きょうだい研究の先駆者である依田氏(1967)は、親子関係は従属するタテの関係、友人関係は仲間のヨコの関係、きょうだいはナナメの関係であると述べています。
そして、
①きょうだい数 ②出生順位 ③性別 ④年齢差 によって、関係性は大きく異なります。
次の分類は、飯野氏(1994)の分類で、きょうだいは4つに分類されるとされています。
1、保護・依存関係
兄と妹、姉と弟によくみられる。一方が他方を助けたり、保護する関係。
[勉強を教えてもらう・頼りにする]
2、対立関係
兄と弟によくみられる。一方のきょうだいに対する恨み、ねたみ、きょうだい間の喧嘩やいじめ。
[兄には負けなくない・自分が優位にみられたい]
3、共存関係
姉と妹にみられる。きょうだいが対等の関係。
[呼び名も 〜ちゃん。など]
4、分離関係
年の離れた兄と妹・弟にみられる。相互のやりとりや会話が少ない。一緒にいても口を利かなかったり、互いの生活に干渉しない。
出生順位と性格
アドラー(1932)は、親以上にきょうだいからの影響が子どものパーナリティ形成に重要な影響を及ぼしていると指摘しています。
特にきょうだい間に生まれる劣等感に着目しました。
「人生の意味の心理学」において、出生順位と子どもの性格や行動特性との関係について述べています。
長子
・口数が少ない
・話の聴き手
・迷惑を考える
・面倒はさける
・我慢強い
次子
・おしゃべり
・褒められたがる
・物まね上手
・甘え上手
・自分の考えを押し通す
中間子
・上と下に挟まれて比較される
・よく考えないでやり始め、失敗する
・気に入らないとすぐ黙り込む
・何事にも一生懸命やろうとする
一人っ子
・わがまま
・飽きっぽい
・引っ込み思案
・慎重
・完璧主義
・競争心がない
きょうだい間の葛藤は、親の養育態度の差が影響します。
また、夫婦間の対立や葛藤がある場合は、子どもに対する養育態度が夫婦で異なり子どもに混乱を招くこともあります。
子どもに対する一貫性のある接しが安定した親子関係の形成に欠かせません。
大人になると取り巻く人間環境も生活環境も変わりますよね。10代では話し合えたはずが、50代になると意見を聞いてくれない、結婚相手の意見が入り2人で話せないなど、様々なきょうだい関係があるでしょう。
親からの養育態度・きょうだいの立ち位置やその他の関係によって、今の問題へと繋がっていることでしょう。
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